5年「整数の見方」<札幌市立日新小学校 教諭 村岡 一毅>
貴重な実践の公開、ありがとうございました。計算ピラミッドによる整数の見方の教材化では、子どもが自ら問題場面に働きかけていく様子が見受けられ、あえて不完全な状態にした問題提示が有効であることが考えられます。また、自分たちで問題を作り直すという場を保証することにより、条件に対して働きかける姿も今後大切になる力であると思いました。(札幌市 教諭)
子どもが自ら問題に働きかけるために「不完全な問題を提示すること」は、非常に共感したところでした。私も教材化の上で大切にしている手立ての一つです。今回の実践では、ルールの不備をなんとかしとうと働きかける子どもの姿を生むことができたとのことでしたが、これは【視点2】の「しなやかに考え表す力」にもつながる部分だと思います。次5年生をもつときに、ぜひ挑戦してみたい教材化です。読ませていただき、ありがとうございました。(札幌市 教諭)
札幌市立西宮の沢小学校 校長 加瀬富久
「奇数ピラミッド」という教材の魅力・可能性が、自ら働きかける力を育む、という視点に本当にあっていると思いました。学級全体が分からないという様子から、能動的に聴き合い問題に向かう子どもたちの姿が目に浮かびます。そこでこの教材の核であろう「条件やルールの不備に至る道筋」について村岡先生の発表資料の行間を読んでみます。恐らくこのピラミッドのマスに入るものが、提示された6つの数字を入れる段階から、徐々に偶数・奇数という文字を当てはめるようになったのではないでしょうか。数字を色々試す段階から偶数×奇数、奇数×奇数、等とより抽象化された見方に変わっていくよう仕組まれていると感じました。そしてより概念的な議論になった時に「このままの条件では絶対無理な理由」が子どもたちの間で共有されたときに、初めてルールや条件に不備がある、だから少なくともここだけは変えればうまくいく、という解決に至ったのだろうと思いました。他の場面にも広げられる可能性を感じる教材でした。ありがとうございました。
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